★富田隆弥氏の相場解説ブログや注目株や日経平均解説など充実コンテンツ満載のPDF版「月刊トレチャ」詳細・お申し込みについてはこちら↓
→富田隆弥のブログ
戻り正念場で米国株急落
先週4日の米雇用統計(46.7万人増)に驚いたばかりだが、10日発表の1月消費者物価にも驚かされた。なんと前年同月比+7.5%と40年ぶりの高水準だ。資源価格や人件費の高騰を背景に米国のインフレ懸念は強まるばかりで、WTI(原油)は93.9ドルに、商品CRB指数は263ドル台に、そして長期債利回りは一時2.03%に上昇。3月のFRBによる利上げピッチ拡大や資産縮小観測をますます強めた。
米長期債利回り 月足
この状況を米国の投資家もさすがに驚いたようだ。NYダウは10日、11日の2日間で1030ドル(▼2.8%)急落、ナスダックも2日間で700ポイント(▼4.85%)下げた。
NYダウ(11日34738-503ドル)は9日に35824ドルまで上昇して年初の下げ分を7割ほど戻していたが、11日は再び200日線35040ドルを割り込み、戻り一巡感を強めた。週足は52週線34601ドルを維持しているので、それを維持できるかが今週一つ焦点になる。
NYダウ週足
そして、日本株のカギ握るナスダック(11日13791-394ポイント)は25日線で頭を叩かれ、14800付近にある200日線には届かず、週足は52週線のある14500ポイント付近で頭を叩かれるなどチャートの流れは危うい雰囲気を漂わす。
ナスダック週足
先週の日経平均(10日27696円引け)は3日続伸で27880円まで戻りを見せ、日足は25日線27625円をクリアーしたが、三角保ち合い下限線でネックラインの28000円の手前でアヤ戻り正念場を迎えていた。
日経平均日足
そんな状況のところで米国株が急落した。CME日経平均先物は26930円(大証比770円安)で終えており、今週の日本株は全面安で始まること避けられないだろう。
連休明けの急落であるから、突っ込んで始まったあとに一旦戻すことも想定されるが、チャートは1月の急落に続く「二段下げリスク」が否定できず、戻り売りのスタンスを継続せざるを得ない。それはNYダウ、ナスダックも同様で、とくにナスダックが200日線を奪回するなど底打ち反転を明確にするまで日本株は慎重姿勢を取らざるを得ない。なにしろ新型コロナウリルスに伴い未曽有のバブル相場を演じたあとだけに、反動安を甘く見てはならない。
(PDF版「月刊トレチャ」富田氏の注目株解説などをさらに詳しくご覧いただけます! 詳細・お申し込みはコチラ )