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買い戻し後の相場が焦点
8日に安倍元首相が銃撃され亡くなった。前場に391円高26881円と上げていた日経平均だが、銃撃事件の報道を受けて後場に失速、26円高26517円で引けた。日足は上ヒゲ伸ばす陰線となり、チャートは上に控える25日線(26723円)や75日線(26954円)を節目として意識する恰好になった。
だが、雇用統計のあった米国はNYダウが31338-46ドルと小幅反落したものの、ナスダックが朝方の141ポイント安から切り返して11635+13ポイントと5日続伸、日経平均先物は190円高26800円(大証終値比)で終えた。
8日の日本株は空売り比率が50.1%に増加しており、週明けは買い戻しを強めるだろう。また、10日の参院選も与党が74議席を獲得する圧勝となり、安心買いを誘うことから今週は大幅で始まるだろう。チャート的には、75日線と6/28高値27062円がポイントで、それを抜いて200日線(8日27732円)に迫るのか注目される。
日経平均日足
ただし、米国ではインフレや金利上昇、ドル高、景気鈍化、収益悪化など多くの懸念が生じている。10年債利回り(3.078%)と2年債利回り(3.106%)の逆転(逆イールド)が起きていて景気後退入りも懸念されている。
それら懸念を抱えながらも株価は6月半ばを下値に戻りに転じている。年初から調整が続いたことで「懸念の多くを織り込んだ」「インフレにピークアウト感が出てきた」などで「買いだ」との見方も出ている。
だが、NYダウもナスダックも週足チャートはまだ13週線に届かず、下げ基調の中のアヤ戻りという状況で変わらない。今週の日本株は勢いよく上昇で始まるだろうが、買い戻しが一巡したあとさらに買いが続くかは不明だ。参院選まえに買い支えた年金資金(信託銀行)の「忖度買い」が、選挙後も続くは不明だ。
NYダウ週足
日経平均は、日足の200日線、週足の52週線(27813円)を抜くまでは下げ基調の中のアヤ戻しという見方ができる。夏休みを控える時期だけに、その厚い節(200日線、52週線)に近付くなら「戻り売り」も一策となろう。
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