富田のトレチャ 2022年12月26日

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跳ねる前の沈み込みを待つ

2022年もあと1週を残すのみ。振り返れば、2月のロシアによるウクライナ侵攻から異常なマーケットが始まった。3月に原油WTIが125ドル台に上昇、商品CRB指数は6月に329.59まで上げるなど、今年は資源や非鉄・金属、穀物、食料品などあらゆるモノが値上がりして「インフレ」を強めた。

そして、FRBは3月からインフレ抑制に向け利上げに動きだし、12月FOMCで7会合連続の利上げに動き、それに伴い為替は3月からドル高(円安)に振れだし、10月に151.94円まで円安が加速した。

そのほかでは、ビットコイン(ドル建て)が6月に17600ドル台まで21年11月高値から7割下げ、そして11月に暗号資産交換大手FTXが経営破綻した。

NYダウは1/5の36952ドルが今年の高値となり、10月に28660ドル安値を付けた。日経平均も1/5高値29388円が「発会天井」となり、3月に24681円まで下げ、その後は25000円台~28000円台の往来に終始した。

経済的に言えば、米国は物価高と金利上昇が同時に進む「スタグフレーション」となり、株価が冴えなかったのも仕方ない。そして、年終盤はインフレにピークアウト感が出てきて、大手IT企業に人員削減が相次ぐなど景気や企業業績にピークアウト感が漂いだす。つまり「リセッション」(景気後退)懸念を抱えて越年となりそうだ。

株式市場は12月に調整となり、日経平均(23日26235円)は3月安値24681円を、ナスダック(10497ポイント)は10月安値10088ポイントを意識する水準にきている。相場の下落に伴い需給が悪化傾向にあり、注意すべき状況が続いている。

ただ、NYダウ(23日33203ドル)は32000ドル台にある200日線や52週線の上でスピード調整の域にあり、このNYダウが年末年始はポイントになりそうだ。もう一つ、ドル円が52週線(131.18円)に差し掛かって一服中だが、この52週線を維持できるか否かも注視しておきたい。

NYダウ日足
NYダウ日足

ドル円週足
ドル円週足

日経平均とナスダックはリバウンド見せてもおかしくなく、大納会に向けて「掉尾の一振」に期待したいところではある。ただし、日経平均は27500円、ナスダックは11000ポイントが日足チャートの節目で、そこまでの戻りは下げたあとのプルバック(アヤ戻り)であり、節目を突破して好転の兆しを見せるまでは慎重な姿勢が望まれる。

日経平均週足
日経平均週足

ナスダック日足
ナスダック日足

チャート的には新春(1月半ば)の突っ込みが狙い目になりそうだ。ウサギも跳ねる前には沈み込むだろう。みな様、よい年をお迎えください。 富田隆弥
(12/25記、新年は1/10からです)

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